毎日の操作リズム — Claude Code 活用ガイド
CHAPTER 02 · DAILY RHYTHM

毎日の操作リズム

Claude Code を使うとき、毎回くりかえす“型(かた)”があります。計画 → 実行 → 確認 → 保存の4拍子(4びょうし)。このリズムと、権限モード・文脈(コンテキスト)の手入れを覚えれば、もう迷いません。安心してどんどん任せられるようになります。

初級 中級 操作の型 権限と文脈

1作業の基本リズム=計画・実行・確認・保存

どんな作業も、この4拍子をくり返すだけ。料理でいえば「メニューを決める → 作る → 味見する → お皿に盛る」と同じ。慣れると体が勝手に動きます。

Claude Code に何かをお願いするとき、いきなり「やって!」と言うのではなく、この順番を意識するとミスがグッと減ります。まずは4つの拍子(びょうし)を見てみましょう。

🗺️

① 計画(けいかく)

いきなり手を動かさず、まず「どう直すか」の作戦を立ててもらう。/plan で計画モードに入ります。方針を見てから「OK」を出せるので安心。

🛠️

② 実行(じっこう)

承認(しょうにん=OKを出すこと)したら、Claude Code が実際にファイルを書き換えます。ここはお任せでOK。

🔍

③ 確認(かくにん)

/diff で「何がどう変わったか」を目で見る。気に入らなければ Esc+Esc で巻き戻せます。

💾

④ 保存(ほぞん)

安全地点(セーブ)は、お願いを送るたびに自動で記録されています。失敗しても /rewind でいつでもそこへ戻れます。

💡
この4拍子は、小さな作業1回ごとにまわします。大きな仕事を一気に頼まず、4拍子を何回もくり返すのがコツ。1回が小さいほど、失敗してもダメージが小さくてすみます。
🔄 シーケンス図:4拍子の流れ
sequenceDiagram
    participant U as あなた
    participant C as ClaudeCode
    participant F as ファイル
    participant G as Git
    U->>C: こう直してとお願い
    C->>U: まず計画を提示(plan)
    Note over U,C: 中身を見て方針を確認
    U->>C: OK 承認します
    C->>F: ファイルを編集
    F-->>C: 編集できました
    U->>C: /diff で差分を確認
    C-->>U: 変更点を表示
    Note over U,G: セーブは自動(チェックポイント)
    G-->>U: 安全地点を作りました
    
計画→承認→編集→確認→保存。この往復をくり返すのが毎日のリズム

2権限モード(許可のレベル)を理解する

権限モード(けんげんモード)=「Claude Code にどこまで自由にやらせるか」の設定です。車でいうアクセルの踏み込み具合。慎重に行きたいときと、ガンガン進めたいときで切り替えます。

Claude Code は、ファイルを書き換えたりコマンドを実行したりするとき、ふつうは「これやっていい?」と毎回あなたに聞きます。これがちょっと面倒に感じることも。そこで、どれくらい聞くかをモードで変えられます。全部で6種類あります。標準の default は最新版では画面に「Manual」と表示されます。また、確認なしで進めつつ危険な操作だけ別のAIが自動でブロックする auto モードも加わりました。

モード何が起きるかいつ使う
default
標準
編集やコマンドのたびに「やっていい?」と確認してくる。いちばん安全。 ふだんの作業。まずはこれで十分。
plan
計画
実際には何も変えず、作戦だけを立ててくれる。読むだけモード。 大きな変更の前。方針を先に見たいとき。
acceptEdits
編集自動
ファイルの編集はいちいち聞かず自動でOK。コマンド実行は確認する。 方針が固まり、たくさん編集させたいとき。
dontAsk
許可制
確認が必要な操作は聞かずに自動で却下。事前に許可した道具だけが動く。 CIや自動化スクリプトなど、やってよいことを固定したい場面で。
bypassPermissions
全権限
確認を完全にスキップ。何でも勝手に実行する。いちばん危険。 使い捨ての隔離環境など、ごく限られた場面だけ。

🔁キー1つでぐるぐる切り替え

Shift+Tab(または Alt+M)を押すと、モードが順ぐりに切り替わります。今どのモードか画面に出るので、それを見ながらカチャカチャ回すだけ。

🔂 フロー図:モードの切り替わり
flowchart TD
    A["default(Manual) 標準"] -->|"Shift+Tab"| B["acceptEdits 編集自動"]
    B -->|"Shift+Tab"| C["plan 計画だけ"]
    C -->|"Shift+Tab"| A
    
押すたびに次のモードへ。auto や bypassPermissions は有効化しているときだけ巡回に加わる(dontAsk は --permission-mode dontAsk で指定)
⚠️
bypassPermissions は確認なしで何でも実行する、いちばん危険なモードです。dontAsk は逆に「許可済み以外は自動で断る」CI向けのモード。どちらも普段の作業には不要です。初心者のうちは default で大丈夫。くわしい安全の話は ⑤ コスト・安全 で解説します。
ℹ️
起動時にモードを指定したいときは --permission-mode フラグが使えます。たとえば --permission-mode plan で最初から計画モード。フラグ(=起動時のオプション)の使い方は ① はじめの一歩 も見てね。

3まず計画させる(プランモード)

急がば回れ。/plan で「先に作戦を立てて」と頼むと、Claude Code はいきなりコードを書かず、まず“どう進めるか”の計画書を見せてくれます。

たとえば「ログイン画面を作って」とお願いしたとします。default のままだと、Claude Code はすぐに手を動かし始めるかもしれません。でも本当にあなたの思った通りに作るとは限りませんよね。そこで /plan の出番です。

terminal
/plan
# 計画モードに入る。このあと普通にお願いを書くと…

ログイン画面を作って

# → Claude Code は「まずこういう手順で作ります」という
#    計画だけを見せてくれる(まだ何も変えない)

🤔なぜ先に計画させるの?

🧩
たとえ話:大工さんに「家を建てて」といきなり言う人はいませんよね。まず設計図(せっけいず)を見せてもらい、「玄関はこっち」「窓を増やして」と相談してから工事に入ります。/plan は、その設計図を先に出してもらうボタンなのです。
💡
権限モードの plan と /plan はほぼ同じ気持ち。「考えるのは好きにやっていいけど、勝手に変えるのはダメだよ」という安全な状態です。大きな作業の前は、まずここから始めるクセをつけましょう。

4変更の確認と巻き戻し

Claude Code が直したあとは、必ず「どこが変わったか」を確認します。そして「やっぱり違う」と思ったら、すぐ元に戻せる。この安心感が作業のスピードを上げてくれます。

🔍差分(さぶん)を見る:/diff

差分(さぶん)=「変更の前と後のちがい」のこと。/diff と打つと、赤と緑で「消えた行・足された行」が並んで表示されます。一目で何が起きたか分かります。

terminal
/diff
# 直近の変更を「前 → 後」で表示
# 緑=足された行 / 赤=消えた行

⏪神機能:Esc+Esc で巻き戻す

「あ、今の変更いらなかった!」というとき、Esc を2回続けて押すだけ(Esc+Esc)で、直前のコード変更を巻き戻せます。会話の要約にも使える、いちばん覚えてほしいショートカットです。

🧭もっと戻る:/rewind(セーブは自動)

⏮️

/rewind

もっと前の状態まで「巻き戻し」たいとき。時間をさかのぼって、好きな地点まで戻れます。

📌

自動チェックポイント

お願いを送るたびに自動でセーブされる仕組み。自分で旗を立てる操作は不要(/checkpoint は /rewind の別名)。

  1. 変更を確認する/diff でどこが変わったか目で見る。納得できるか確かめる。
  2. 気に入らなければ戻すEsc+Esc で直前の変更を巻き戻し。もっと前なら /rewind。
  3. うまくいったらそのまま次へセーブは自動で済んでいる。安心して次のお願いに進むだけでOK。
✅
おすすめの習慣:小さくお願いする → /diff で確認。セーブは自動でされているので、ダメだったら /rewind(別名 /checkpoint)でいつでも巻き戻せます。いつでも戻れると分かっているから、思い切って試せるのです。

5文脈(コンテキスト)の手入れ

文脈(コンテキスト)=Claude Code が「今おぼえている会話の中身」のこと。長く話していると、ここがいっぱいになって動きが鈍くなります。だから、ときどき“片づけ”が必要です。

🧩
たとえ話:勉強していると、机の上に教科書・プリント・お菓子の袋がどんどん積み上がりますよね。最初は快適でも、そのうち作業スペースがなくなって手が止まる。文脈も同じで、会話が積もると“机の上”が散らかります。だから、いらないものを片づけたり、まとめたりするのです。

🧹3つの片づけコマンド

📊

/context

今どれくらい机が埋まっているか「状況」を見る。片づけが必要か判断する物差し。

🗜️

/compact

会話を「要約して圧縮」。大事な内容は残しつつ、かさばる部分をギュッと小さくする。

🧼

/clear

会話をまっさらにリセット。次の別の作業に移るとき、机を一度カラにするイメージ。

こんなとき使うコマンドなぜ
動きが重いな?と感じたら /context まず状況を見て、片づけが要るか確認するため。
同じ作業を続けたいけど会話が長い /compact これまでの流れは残したまま、軽くしたいから。
まったく別の作業に切り替える /clear 前の話を引きずらず、ゼロから始めたいから。
terminal
/context
# まず机の埋まり具合をチェック

/compact
# 重くなってきたら要約して圧縮(続きはそのまま)

/clear
# 別の作業に移るときは丸ごとリセット
ℹ️
使い分けのコツ:/compact は「同じ仕事を続けるけど軽くしたい」とき、/clear は「もう前の話は忘れていい」とき。迷ったら、まず /context で様子を見ましょう。長い会話ほど、この手入れが効いてきます。

6頭の良さと速さの切替

Claude Code には「じっくり賢く考えるモード」と「サッと速く返すモード」があります。作業の難しさに合わせて切り替えると、待ち時間もムダも減らせます。

すべての作業を全力で考えさせる必要はありません。簡単な作業は軽く速く、難しい山場だけ重く深く——このメリハリがプロのコツです。使う道具は主に2つ、「モデル」と「effort(エフォート)」です。

🧠モデルを変える:/model

モデル=Claude Code の“頭脳のタイプ”。賢いけれど少しゆっくりな opus、バランスの良い sonnet などがあります。/model または Option+P(Alt+P)でいつでも切り替えられます。

⚙️考える深さを変える:/effort

effort(エフォート)=「どれくらい一生懸命考えるか」。/effort で low(軽く速く)・medium(ふつう)・high(しっかり)から選べます。さらにとにかく速さ重視なら /fast という高速モードもあります。

やりたいこと使うものひとこと
頭脳のタイプを変える/model / Option+Popus は賢い、sonnet はバランス型。
考える深さを変える/effort(low/medium/high)簡単なら low、難所だけ high に。
とにかく速く返してほしい/fast軽い質問やちょい修正に。
じっくり深く考えてほしいOption+T(Extended Thinking)難しい設計やバグ調査の山場で。
本気の最大思考プロンプトに ultrathink と書く難問にぶつかったとき、文章に一言そえるだけ。
terminal
# 山場だけ深く考えさせたいとき、お願いの文に一言そえる
このバグの原因を ultrathink で徹底的に調べて

# ふだんの軽い修正はサッと
/fast
このボタンの色を青に変えて
💡
コツは「軽い作業は軽く、難所だけ重く」。ずっと high や opus で走らせると待ち時間が長くなりがち。ふだんは軽め、ここぞという山場だけ Option+T や ultrathink で本気を出してもらう——このメリハリが効率の秘訣です。

71セッションを通した流れ・総まとめ

ここまでの全部を、1回の作業(=1セッション)の流れにつなげてみましょう。この“ひと回り”が頭に入れば、もうあなたは毎日のリズムをつかんでいます。

🔄 シーケンス図:1セッションの全体フロー
sequenceDiagram
    participant U as あなた
    participant C as ClaudeCode
    participant F as ファイル
    participant G as Git
    U->>C: /plan でお願いを伝える
    C-->>U: 計画を提示
    Note over U,C: 方針をチェックして相談
    U->>C: OK 承認して実行へ
    C->>F: ファイルを編集
    F-->>C: 編集できました
    U->>C: /diff で変更を確認
    C-->>U: 差分を表示
    Note over U,G: セーブは自動(チェックポイント)
    Note over U,C: 会話が長くなったら
    U->>C: /compact で文脈を圧縮
    C-->>U: 軽くなって次の作業へ
    
計画→承認→編集→確認→保存→圧縮。これを何度もまわすのが毎日の操作リズム

📝今日からのチェックリスト

  1. 大きな作業は /plan から先に計画を見て、方針をすり合わせる。いきなり大改造を防ぐ。
  2. 権限モードは default が基本慣れるまでは確認ありで安全に。切替は Shift+Tab。
  3. 変えたら必ず /diff何が変わったか目で確認。違ったら Esc+Esc で巻き戻す。
  4. ダメなら /rewindセーブは自動。いつでも戻れる安心感がある。
  5. 重くなったら文脈を手入れ/context で様子見、/compact で圧縮、/clear でリセット。
  6. 速さと賢さはメリハリ軽い作業は /fast、難所だけ ultrathink や Option+T。
✅
おめでとう!このリズムが身につけば、Claude Code は「ちょっと怖い道具」から「頼れる相棒」に変わります。次の ③ 目的別ワークフロー では、このリズムを使って実際の作業(バグ直し・新機能づくりなど)をどう進めるかを見ていきましょう。

まずは小さな作業で「計画→実行→確認→保存」を1回まわしてみてください。体で覚えるのが一番の近道です 🚀