プロンプト術 — Claude Code 活用ガイド

プロンプト術=Claude への上手な頼み方

同じ作業でも「頼み方」ひとつで、返ってくる答えはまるで別物になります。このページでは、Claude(=あなたの相棒AI)から最高の結果を引き出す「頼み方の型」を身につけます。むずかしいことは何もありません。コツを知れば、今日からあなたの指示は見ちがえるほど伝わるようになります!

🧩
AIは「察してくれる魔法」ではありません。むしろ、とても優秀だけど初対面の助っ人(=はじめて会うアシスタント)だと思ってください。あなたの頭の中までは見えないので、「何を・どこで・どうしてほしいか」をはっきり伝えるほど、ピタッと当ててくれます。逆にあいまいだと、見当ちがいの方向にがんばってしまうのです。

1はっきり伝えるほど、いい答えが返る

Claude Code はファイルを読み、コマンドを実行し、自分でコードを直してくれる「動く相棒」です。だからこそ、あなたの最初のひとことがとても大事。公式ガイドもこう言っています ―― 「Claude は意図を推測できますが、あなたの心を読むことはできません」。

📌
大事な合言葉は「指示が正確であるほど、あとの手直しが少なくなる」。最初にちゃんと伝える数十秒が、あとの何分もの修正を節約してくれます。

🍔たとえ話:ハンバーガーを注文する

お店で「なんかおいしいの」とだけ言ったら、何が出てくるか分かりませんよね。でも「チーズバーガー、ピクルス抜き、ポテトはLで」と言えば、ほしいものがそのまま届きます。Claude への頼み方もまったく同じ。具体的に言うほど、ほしい結果に近づくのです。

🔄 あいまいな頼み方 vs はっきりした頼み方
flowchart TD
    A["あなたの頼みごと"] --> B{"具体的かな?"}
    B -->|"いいえ あいまい"| C["Claudeが意図を推測する"]
    C --> D["見当ちがいの答え"]
    D --> E["何度も手直し"]
    B -->|"はい はっきり"| F["Claudeが正しく理解"]
    F --> G["ほしかった答え"]
    G --> H["ほぼ一発で完成"]
あいまいだと遠回り、はっきりだと最短ルート。どちらの道を通りたいですか?

このページで学ぶ型は、Anthropic(=Claude を作っている会社)の公式ガイドにもとづいています。出典はこちら。Claude Code のベストプラクティス(公式・ja)


2ダメな頼み方 → 良い頼み方

いちばん効くのは「実例で見くらべること」。公式ガイドの例をもとに、Before(=残念な頼み方)と After(=うまい頼み方)を並べてみましょう。

😵

Before(残念)

「ログインのバグを直して」
→ どのファイル?どんな症状?Claude は手さぐりになります。

😊

After(うまい)

「ユーザーがセッション切れの後にログインできないと報告。@src/auth/ の認証フロー、特にトークン更新を確認して。再現する失敗テストを書いてから直して」

terminal
# ❌ Before:ふわっとしすぎ
ログインボタンが動かない。直して

# ✅ After:場所・症状・ゴール・段取りが入っている
login.js のログインボタンが反応しない。原因を調べて直して、
テストも追加して。動くことを確認してから報告して

公式ガイドの「具体的なコンテキストを提供する」表から、4つの言いかえパターンを紹介します。

コツ❌ Before✅ After
範囲をしぼる「foo.py のテストを追加する」「ユーザーがログアウト中のエッジケース(=めったに起きない例外)をカバーする foo.py のテストを書く。モックは避けて」
調べ先を指さす「この API はなぜ変なの?」「ExecutionFactory の git 履歴を調べて、その API がどう今の形になったか要約して」
お手本を見せる「カレンダーを追加する」「HotDogWidget.php が良い例。そのパターンに従ってカレンダーを実装して。既存以外のライブラリは使わないで」
症状を説明する「ログインバグを直す」「セッション切れ後にログイン失敗。@src/auth/ を確認し、再現する失敗テストを書いてから直して」
✅
ポイントは「場所・症状・ゴール・お手本」を足すこと。同じ作業でも、これだけで結果が激変します。慣れるまでは Before を書いてから「あ、これじゃ伝わらないな」と After に直す練習がおすすめ。
💡
逆に、探検中(=まだ何を直すか決まっていないとき)は、あえてあいまいな「このファイル、どこを改善できる?」もアリ。公式も「気づかなかった点を表面化できる」と認めています。場面で使い分けましょう。

3良いプロンプトの5要素

うまい頼み方には、共通する「5つの部品」があります。全部入れなくてもOK。でも入れるほど精度が上がります。

🎯

① 具体的に

どのファイル・どの場面・どう動けば成功か。「直して」ではなく「login.js のこのボタンを」。

📎

② 文脈を渡す

@ファイル名 でコードを見せる。スクショ(=画面写真)も貼れる。

🚩

③ ゴールと制約

「テストも追加」「新しいライブラリは使わない」など、ゴールとルールを明示。

📐

④ お手本を見せる

「HotDogWidget.php と同じパターンで」のように、まねしてほしい例を指さす。

🗺️

⑤ 段取り

「まず計画 → 確認 → 実行」。難しい作業は計画を立ててから動いてもらう。

🔍

+ 検証手段

「テストを実行して合格を確認して」。Claude が自分で正解を確かめられるように。

📌
公式の重要アドバイス:「Claude に自分の作業を検証する方法を与える」。テスト・ビルド・スクショなど、合否がはっきりわかるチェックを渡すと、Claude は合格するまで自分で直し続けてくれます。これが「見守るセッション」と「任せられるセッション」の分かれ目です。
  1. 頼む前に1秒考える「これ、初対面の人に伝わる?」と自問する。あいまいなら言葉を足す。
  2. 5要素をチェック具体・文脈・ゴール・お手本・段取り。足りない部品を1つでも補う。
  3. 検証手段を添える「テストを実行して」「スクショを撮って元と比べて」など、確かめ方をセットで頼む。

4文脈(コンテキスト)の渡し方

「文脈を渡す」とは、Claude に判断材料をわたすこと。材料が多いほど、精度の高い答えが返ってきます。渡す方法はいくつもあります。

方法やり方こんなときに
@ファイル で参照プロンプトに @src/utils/auth.js と書く「このコードを見て」と説明する代わりに、丸ごと渡したいとき
画像を貼るCmd+V で貼り付け、またはドラッグ&ドロップエラー画面・UIデザイン・図を見せたいとき
/add-dir / --add-dir作業対象に別フォルダを追加別の場所のファイルも見てほしいとき
CLAUDE.mdプロジェクトのルールを書いたファイル毎回伝える前提(コード規約・テスト方法)を常駐させたいとき
⚠️
画像を貼るときは Cmd+V を使ってください。公式いわく ターミナルでは Ctrl+V ではうまくいかないことがあります(Mac の場合)。スクショは「エラーの原因調査」「このデザインを再現して」などに大活躍します。

🧠CLAUDE.md=毎回読むメモ帳

CLAUDE.md は、Claude が会話のはじめに必ず読む特別なファイル。「ES Modules を使う」「終わったら型チェックして」のようなプロジェクト共通のルールを書いておくと、毎回伝えなくてよくなります。最初は /init で自動生成できます。

💡
CLAUDE.md は「短く・人が読める」状態をキープ。公式は各行ごとに「これを消したら Claude が間違える?」と自問せよと言います。長すぎると大事なルールがノイズに埋もれて無視されてしまうので、ぜいたくに削るのがコツです。
📥 何を渡すと精度が上がる?
flowchart TD
    A["精度を上げたい"] --> B["関係するファイルを @ で渡す"]
    A --> C["エラー画面やデザインを Cmd+V で貼る"]
    A --> D["ゴールと制約を言葉で書く"]
    A --> E["共通ルールは CLAUDE.md に常駐"]
    B --> F["Claudeの理解が深まる"]
    C --> F
    D --> F
    E --> F
    F --> G["手直しの少ない答え"]
材料(文脈)を増やすほど、Claude の答えはピンポイントになります。

もっと詳しくは公式の「リッチコンテンツを提供する」「ファイルとディレクトリを参照する」へ。一般的なワークフロー(公式・ja)


5計画させてから実行する

大きめの作業ほど、いきなり書かせず「まず計画」が正解。公式の合言葉は「最初に探索し、次に計画し、その後コーディングする」です。

計画モード(/plan または Shift+Tabで切替)に入ると、Claude はファイルを読んで作戦を立てますが、承認するまで一切ファイルを書き換えません。だから「方向ちがいのまま突っ走る」事故を防げます。

🧩
旅行と同じです。地図も見ずに歩き出すと迷子になりますが、先にルートを決めれば最短で目的地へ。計画を見て「ここ違う」と気づいたら、その場で直せます。実装してから直すより、ずっとラクです。
🔄 計画 → 確認 → 実行の流れ
sequenceDiagram
    participant You as あなた
    participant CC as Claude
    You->>CC: 計画モードで OAuth 追加の計画を作って
    CC-->>You: 変更ファイルと手順の計画を提示
    Note over You,CC: ここで内容を確認・修正できる
    You->>CC: この計画でOK 実行して
    CC-->>You: コードを実装しテストを実行
    You->>CC: 結果を確認して問題があれば修正依頼
先に計画を見せてもらうから、安心して任せられます。

公式おすすめの4フェーズはこちら。

  1. 探索計画モードで「@src/auth を読んでセッション処理を理解して」と依頼。読むだけで書き換えない。
  2. 計画「どのファイルを変える? 計画を作って」。難所は ultrathink をプロンプトに書いて深く考えさせる。
  3. 実装計画モードを抜けて「計画どおり実装して。テストを書いて実行し、失敗を直して」。
  4. 仕上げ「説明的なメッセージでコミットして PR を作って」。
📌
いつも計画が必要なわけではありません。公式いわく「差分を1文で説明できるなら計画はスキップ」。タイプミス修正やログ1行追加なら、直接お願いしてOK。計画が活きるのは「複数ファイルにまたがる」「不慣れなコード」「やり方に自信がない」ときです。

6思考の深さを調整する

Claude は「どれくらいじっくり考えるか」を変えられます。軽い作業は軽く、難所は深く ―― このメリハリが、速さと質を両立させるコツです。

方法効果向いている場面
プロンプトに ultrathink思考の深さ(effort)を最大にする設計・難しいバグ・複雑な計画づくり
Option+T思考の表示・切替を操作(ターミナル)考える過程を見たい・調整したいとき
/effort深さを low / medium / high から選ぶ作業全体の重さに合わせて段階を決めたいとき
/fast速さ重視に切り替えるサッと終わる軽い作業
🧩
これは「考える時間」のダイヤルです。買い物リストのメモなら一瞬で書けますが、人生の進路は腕を組んでじっくり考えますよね。Claude も同じ。軽い作業に最大思考を使うのはガソリンの無駄、難所に浅い思考だとミスのもと。場面に合わせてダイヤルを回しましょう。
terminal
# 難しい設計はじっくり考えてほしい
ultrathink この認証まわりの設計をレビューして、安全な方式を提案して

# 全体の思考レベルを高めに設定
/effort high

# 軽い作業はサッと
/fast
✅
使い分けの目安:タイプミス修正=軽く / 新機能の設計=深く(ultrathink)。迷ったら、まず軽めで試して、物足りなければ深くする ―― これが失敗の少ない進め方です。

7反復(くりかえし)で仕上げる

一発で100点を狙わなくて大丈夫。小さく頼む → 確認する → 直すをくりかえすのが、いちばん速くて確実です。公式も「タイトなフィードバックループ(=こまめな修正の往復)」をすすめています。

✋

Esc=途中で止める

「あ、方向が違う」と思ったらすぐ Esc。文脈は残るので、向きを変えてやり直せます。

⏪

Esc Esc=巻き戻し

2回押すか /rewind で、前の状態(会話・コード)に戻せます。思いきった挑戦も安心。

🔎

/diff=変更を見る

Claude が何を変えたかを確認。良ければ進め、ダメなら直してもらう。

🧹

/clear=リセット

別の作業に移るときは /clear で文脈を一新。混ざった文脈は精度を下げます。

⚠️
公式の注意:同じ問題で2回直してもダメなら、/clear でやり直す。失敗したアプローチで文脈が散らかると、Claude も迷います。学んだことを盛り込んだ新しいプロンプトで仕切り直すほうが、たいてい速く解決します。
🔄 反復で仕上げるループ
flowchart TD
    A["小さく頼む"] --> B["Claudeが変更する"]
    B --> C["/diff で確認"]
    C --> D{"OK?"}
    D -->|"はい"| E["次の小さな依頼へ"]
    D -->|"いいえ"| F["具体的に直してと頼む"]
    F --> B
    E --> G["少しずつ完成に近づく"]
大きな一発より、小さな往復。これが遠回りに見えていちばんの近道です。
💡
/rewind はチェックポイント(=送ったプロンプトごとの保存ポイント)に戻れる機能。「危なそうなことを試してダメなら巻き戻す」が気軽にできます。ただし git の代わりにはならない点だけ覚えておきましょう。

8すぐ使えるプロンプト型(テンプレ)

最後に、コピーしてすぐ使える「頼み方テンプレ」を3つ用意しました。[ ] の中を自分の状況に書き換えるだけ。公式のレシピをもとにしています。

🔍調査用テンプレ

terminal
# コードの仕組みを理解したいとき
このプロジェクトの概要を教えて。
そのあと [認証] がどう処理されているか、関係するファイルを示して、
フロントエンドからデータベースまでの流れを追って説明して

🐛バグ修正用テンプレ

terminal
# 症状・場所・ゴール・検証をセットで
[npm test] を実行すると [エラー内容] が出る。
[@src/auth/] のあたりが怪しい。
まず問題を再現する失敗テストを書いて、原因を直して、
テストが通ることを確認してから報告して。
症状ではなく根本原因に対処して、エラーを抑え込まないで

👀レビュー用テンプレ

terminal
# 別視点でエッジケースを洗い出す
サブエージェントを使って [@src/middleware/rateLimiter.ts] をレビューして。
エッジケース、競合状態、既存パターンとの一貫性をチェックして、
スタイルの好みではなく、正しさに関わる問題だけを報告して
✅
この3つを手元に置いておけば、いつでも「うまい頼み方」のスタートが切れます。慣れたら自分用にアレンジを。あなただけの最強テンプレを育てていきましょう!
✂️
もっとたくさん欲しい人へ。場合別(ハーネス/サブエージェント/エージェントチーム/自動化/仕上げ)に整理したコピペ用プロンプト集を別ページに用意しました。30個以上をそのまま貼って使えます。
👉 ✂️ 実践プロンプト集(コピペ)
答えを見る:このBeforeをAfterに直してみよう

お題:「ボタンを直して」をうまい頼み方に書きかえると?

解答例:「@src/components/Button.jsx の送信ボタンを押しても反応しない。原因を調べて直して。直したら、クリックで送信されることを確認するテストを追加して、テストを実行して結果を報告して」

ポイントは ①場所(@で指定)②症状(押しても反応しない)③ゴール(直す+テスト追加)④検証(テスト実行)の4点が入っていることです。バッチリですね!


9まとめ:頼み方は技術、必ず上達する

プロンプト術は、特別な才能ではなく「練習で身につく型」です。今日のポイントをぎゅっとおさらいしましょう。

🎯

具体的に頼む

場所・症状・ゴール・お手本を足すだけで結果が激変。

📎

文脈を渡す

@ファイル・スクショ・CLAUDE.md で材料をたっぷり。

🗺️

計画してから実行

大きな作業は /plan で作戦を確認してから動く。

🔄

反復で仕上げる

小さく頼んで /diff で確認、ダメなら Esc Esc。

🎉
最初は完璧じゃなくて当たり前。「あ、伝わらなかったな」と気づいて言いなおすたびに、あなたの頼み方はどんどん上達します。さあ、さっそく今日のテンプレを使って、Claude に話しかけてみましょう。やってみたくなってきませんか?

もっと深めたい人は公式ガイドへ。ベストプラクティス(公式・ja) / 一般的なワークフロー(公式・ja)