プロンプト術=Claude への上手な頼み方
同じ作業でも「頼み方」ひとつで、返ってくる答えはまるで別物になります。このページでは、Claude(=あなたの相棒AI)から最高の結果を引き出す「頼み方の型」を身につけます。むずかしいことは何もありません。コツを知れば、今日からあなたの指示は見ちがえるほど伝わるようになります!
1はっきり伝えるほど、いい答えが返る
Claude Code はファイルを読み、コマンドを実行し、自分でコードを直してくれる「動く相棒」です。だからこそ、あなたの最初のひとことがとても大事。公式ガイドもこう言っています ―― 「Claude は意図を推測できますが、あなたの心を読むことはできません」。
🍔たとえ話:ハンバーガーを注文する
お店で「なんかおいしいの」とだけ言ったら、何が出てくるか分かりませんよね。でも「チーズバーガー、ピクルス抜き、ポテトはLで」と言えば、ほしいものがそのまま届きます。Claude への頼み方もまったく同じ。具体的に言うほど、ほしい結果に近づくのです。
flowchart TD
A["あなたの頼みごと"] --> B{"具体的かな?"}
B -->|"いいえ あいまい"| C["Claudeが意図を推測する"]
C --> D["見当ちがいの答え"]
D --> E["何度も手直し"]
B -->|"はい はっきり"| F["Claudeが正しく理解"]
F --> G["ほしかった答え"]
G --> H["ほぼ一発で完成"]
このページで学ぶ型は、Anthropic(=Claude を作っている会社)の公式ガイドにもとづいています。出典はこちら。Claude Code のベストプラクティス(公式・ja)
2ダメな頼み方 → 良い頼み方
いちばん効くのは「実例で見くらべること」。公式ガイドの例をもとに、Before(=残念な頼み方)と After(=うまい頼み方)を並べてみましょう。
Before(残念)
「ログインのバグを直して」
→ どのファイル?どんな症状?Claude は手さぐりになります。
After(うまい)
「ユーザーがセッション切れの後にログインできないと報告。@src/auth/ の認証フロー、特にトークン更新を確認して。再現する失敗テストを書いてから直して」
# ❌ Before:ふわっとしすぎ ログインボタンが動かない。直して # ✅ After:場所・症状・ゴール・段取りが入っている login.js のログインボタンが反応しない。原因を調べて直して、 テストも追加して。動くことを確認してから報告して
公式ガイドの「具体的なコンテキストを提供する」表から、4つの言いかえパターンを紹介します。
| コツ | ❌ Before | ✅ After |
|---|---|---|
| 範囲をしぼる | 「foo.py のテストを追加する」 | 「ユーザーがログアウト中のエッジケース(=めったに起きない例外)をカバーする foo.py のテストを書く。モックは避けて」 |
| 調べ先を指さす | 「この API はなぜ変なの?」 | 「ExecutionFactory の git 履歴を調べて、その API がどう今の形になったか要約して」 |
| お手本を見せる | 「カレンダーを追加する」 | 「HotDogWidget.php が良い例。そのパターンに従ってカレンダーを実装して。既存以外のライブラリは使わないで」 |
| 症状を説明する | 「ログインバグを直す」 | 「セッション切れ後にログイン失敗。@src/auth/ を確認し、再現する失敗テストを書いてから直して」 |
3良いプロンプトの5要素
うまい頼み方には、共通する「5つの部品」があります。全部入れなくてもOK。でも入れるほど精度が上がります。
① 具体的に
どのファイル・どの場面・どう動けば成功か。「直して」ではなく「login.js のこのボタンを」。
② 文脈を渡す
@ファイル名 でコードを見せる。スクショ(=画面写真)も貼れる。
③ ゴールと制約
「テストも追加」「新しいライブラリは使わない」など、ゴールとルールを明示。
④ お手本を見せる
「HotDogWidget.php と同じパターンで」のように、まねしてほしい例を指さす。
⑤ 段取り
「まず計画 → 確認 → 実行」。難しい作業は計画を立ててから動いてもらう。
+ 検証手段
「テストを実行して合格を確認して」。Claude が自分で正解を確かめられるように。
- 頼む前に1秒考える「これ、初対面の人に伝わる?」と自問する。あいまいなら言葉を足す。
- 5要素をチェック具体・文脈・ゴール・お手本・段取り。足りない部品を1つでも補う。
- 検証手段を添える「テストを実行して」「スクショを撮って元と比べて」など、確かめ方をセットで頼む。
4文脈(コンテキスト)の渡し方
「文脈を渡す」とは、Claude に判断材料をわたすこと。材料が多いほど、精度の高い答えが返ってきます。渡す方法はいくつもあります。
| 方法 | やり方 | こんなときに |
|---|---|---|
| @ファイル で参照 | プロンプトに @src/utils/auth.js と書く | 「このコードを見て」と説明する代わりに、丸ごと渡したいとき |
| 画像を貼る | Cmd+V で貼り付け、またはドラッグ&ドロップ | エラー画面・UIデザイン・図を見せたいとき |
/add-dir / --add-dir | 作業対象に別フォルダを追加 | 別の場所のファイルも見てほしいとき |
CLAUDE.md | プロジェクトのルールを書いたファイル | 毎回伝える前提(コード規約・テスト方法)を常駐させたいとき |
🧠CLAUDE.md=毎回読むメモ帳
CLAUDE.md は、Claude が会話のはじめに必ず読む特別なファイル。「ES Modules を使う」「終わったら型チェックして」のようなプロジェクト共通のルールを書いておくと、毎回伝えなくてよくなります。最初は /init で自動生成できます。
flowchart TD
A["精度を上げたい"] --> B["関係するファイルを @ で渡す"]
A --> C["エラー画面やデザインを Cmd+V で貼る"]
A --> D["ゴールと制約を言葉で書く"]
A --> E["共通ルールは CLAUDE.md に常駐"]
B --> F["Claudeの理解が深まる"]
C --> F
D --> F
E --> F
F --> G["手直しの少ない答え"]
もっと詳しくは公式の「リッチコンテンツを提供する」「ファイルとディレクトリを参照する」へ。一般的なワークフロー(公式・ja)
5計画させてから実行する
大きめの作業ほど、いきなり書かせず「まず計画」が正解。公式の合言葉は「最初に探索し、次に計画し、その後コーディングする」です。
計画モード(/plan または Shift+Tabで切替)に入ると、Claude はファイルを読んで作戦を立てますが、承認するまで一切ファイルを書き換えません。だから「方向ちがいのまま突っ走る」事故を防げます。
sequenceDiagram
participant You as あなた
participant CC as Claude
You->>CC: 計画モードで OAuth 追加の計画を作って
CC-->>You: 変更ファイルと手順の計画を提示
Note over You,CC: ここで内容を確認・修正できる
You->>CC: この計画でOK 実行して
CC-->>You: コードを実装しテストを実行
You->>CC: 結果を確認して問題があれば修正依頼
公式おすすめの4フェーズはこちら。
- 探索計画モードで「@src/auth を読んでセッション処理を理解して」と依頼。読むだけで書き換えない。
- 計画「どのファイルを変える? 計画を作って」。難所は
ultrathinkをプロンプトに書いて深く考えさせる。 - 実装計画モードを抜けて「計画どおり実装して。テストを書いて実行し、失敗を直して」。
- 仕上げ「説明的なメッセージでコミットして PR を作って」。
6思考の深さを調整する
Claude は「どれくらいじっくり考えるか」を変えられます。軽い作業は軽く、難所は深く ―― このメリハリが、速さと質を両立させるコツです。
| 方法 | 効果 | 向いている場面 |
|---|---|---|
プロンプトに ultrathink | 思考の深さ(effort)を最大にする | 設計・難しいバグ・複雑な計画づくり |
| Option+T | 思考の表示・切替を操作(ターミナル) | 考える過程を見たい・調整したいとき |
/effort | 深さを low / medium / high から選ぶ | 作業全体の重さに合わせて段階を決めたいとき |
/fast | 速さ重視に切り替える | サッと終わる軽い作業 |
# 難しい設計はじっくり考えてほしい ultrathink この認証まわりの設計をレビューして、安全な方式を提案して # 全体の思考レベルを高めに設定 /effort high # 軽い作業はサッと /fast
7反復(くりかえし)で仕上げる
一発で100点を狙わなくて大丈夫。小さく頼む → 確認する → 直すをくりかえすのが、いちばん速くて確実です。公式も「タイトなフィードバックループ(=こまめな修正の往復)」をすすめています。
Esc=途中で止める
「あ、方向が違う」と思ったらすぐ Esc。文脈は残るので、向きを変えてやり直せます。
Esc Esc=巻き戻し
2回押すか /rewind で、前の状態(会話・コード)に戻せます。思いきった挑戦も安心。
/diff=変更を見る
Claude が何を変えたかを確認。良ければ進め、ダメなら直してもらう。
/clear=リセット
別の作業に移るときは /clear で文脈を一新。混ざった文脈は精度を下げます。
/clear でやり直す。失敗したアプローチで文脈が散らかると、Claude も迷います。学んだことを盛り込んだ新しいプロンプトで仕切り直すほうが、たいてい速く解決します。
flowchart TD
A["小さく頼む"] --> B["Claudeが変更する"]
B --> C["/diff で確認"]
C --> D{"OK?"}
D -->|"はい"| E["次の小さな依頼へ"]
D -->|"いいえ"| F["具体的に直してと頼む"]
F --> B
E --> G["少しずつ完成に近づく"]
/rewind はチェックポイント(=送ったプロンプトごとの保存ポイント)に戻れる機能。「危なそうなことを試してダメなら巻き戻す」が気軽にできます。ただし git の代わりにはならない点だけ覚えておきましょう。8すぐ使えるプロンプト型(テンプレ)
最後に、コピーしてすぐ使える「頼み方テンプレ」を3つ用意しました。[ ] の中を自分の状況に書き換えるだけ。公式のレシピをもとにしています。
🔍調査用テンプレ
# コードの仕組みを理解したいとき
このプロジェクトの概要を教えて。
そのあと [認証] がどう処理されているか、関係するファイルを示して、
フロントエンドからデータベースまでの流れを追って説明して🐛バグ修正用テンプレ
# 症状・場所・ゴール・検証をセットで
[npm test] を実行すると [エラー内容] が出る。
[@src/auth/] のあたりが怪しい。
まず問題を再現する失敗テストを書いて、原因を直して、
テストが通ることを確認してから報告して。
症状ではなく根本原因に対処して、エラーを抑え込まないで👀レビュー用テンプレ
# 別視点でエッジケースを洗い出す
サブエージェントを使って [@src/middleware/rateLimiter.ts] をレビューして。
エッジケース、競合状態、既存パターンとの一貫性をチェックして、
スタイルの好みではなく、正しさに関わる問題だけを報告して👉 ✂️ 実践プロンプト集(コピペ)
答えを見る:このBeforeをAfterに直してみよう
お題:「ボタンを直して」をうまい頼み方に書きかえると?
解答例:「@src/components/Button.jsx の送信ボタンを押しても反応しない。原因を調べて直して。直したら、クリックで送信されることを確認するテストを追加して、テストを実行して結果を報告して」
ポイントは ①場所(@で指定)②症状(押しても反応しない)③ゴール(直す+テスト追加)④検証(テスト実行)の4点が入っていることです。バッチリですね!
9まとめ:頼み方は技術、必ず上達する
プロンプト術は、特別な才能ではなく「練習で身につく型」です。今日のポイントをぎゅっとおさらいしましょう。
具体的に頼む
場所・症状・ゴール・お手本を足すだけで結果が激変。
文脈を渡す
@ファイル・スクショ・CLAUDE.md で材料をたっぷり。
計画してから実行
大きな作業は /plan で作戦を確認してから動く。
反復で仕上げる
小さく頼んで /diff で確認、ダメなら Esc Esc。
もっと深めたい人は公式ガイドへ。ベストプラクティス(公式・ja) / 一般的なワークフロー(公式・ja)