Krispとは
Krispは、2017年にアルメニア出身のエンジニアたちが設立したKrisp Technologies Inc.が開発する、AI搭載の音声処理アプリです。もともとは「背景ノイズを消す」ことに特化したシンプルなツールでしたが、現在はAIによる会議の文字起こし・要約・アクションアイテム抽出まで備えた、ミーティング支援プラットフォームへと進化しています。
わかりやすく言うと、「騒がしい環境でも会議に集中できる環境を作るアプリ」です。子どもの声、工事の音、カフェの雑音、キーボードのカチャカチャ音……通話相手に届く前に、これらをAIがリアルタイムで取り除いてくれます。特別なマイクや機材は不要で、ソフトウェアをインストールするだけで始められます。
主な機能をやさしく解説
- 背景ノイズのリアルタイム除去:自分のマイクから出る音だけでなく、相手のマイクから入ってくるノイズも除去します。双方向で働くのが大きな特徴です。犬の鳴き声・工事音・キーボード音など幅広いノイズに対応しています。
- エコーキャンセリング:部屋の反響音や、スピーカーからの音がマイクに戻ってくるエコーも除去し、クリアな通話を維持します。
- AI文字起こし・会議要約:会議の内容を自動でテキスト化し、重要なポイントの要約とアクションアイテム(次にやるべきこと)を整理してくれます。誰が何を言ったかがわかるスピーカー識別にも対応しています。
- 800以上のアプリに対応:Zoom、Microsoft Teams、Google Meet、Slack、Discord など主要な会議・通話アプリで利用できます。会議ツール側の音声デバイスをKrispに切り替えるだけです。
- ローカル処理でプライバシー保護:ノイズキャンセリングの処理はデバイス上で完結するため、音声がサーバーに送られません。機密度の高い会話でも安心して使えます。
料金プランの選び方
- まず無料で試したい人:1日60分までのノイズキャンセリングと一部のAI要約機能が無料で使えます。週に数回の短い会議なら十分かもしれません。
- Proプラン(月額8ドル前後)が向く人:毎日複数の会議があり、ノイズキャンセリングを無制限に使いたい人。会議の議事録・要約も自動化したいビジネスパーソンにおすすめです。
- Businessプラン(月額15ドル前後)が向く人:チームで利用したい、CRMシステムと連携したい、セキュリティ要件(SSO・HIPAA・GDPR)を満たしたい企業向けです。
価格や提供内容は変わる場合があります。契約前にかならず公式サイト(https://krisp.ai/pricing/)で最新情報をご確認ください。
始め方
- 公式サイト(https://krisp.ai/)でアカウントを作成します。メールアドレスやGoogleアカウントで登録できます。
- Windows・Mac向けのデスクトップアプリ、またはiOS・Android向けのスマホアプリをダウンロードしてインストールします。
- 使っている会議ツール(ZoomやTeamsなど)の音声設定を開き、マイクとスピーカーをそれぞれ「Krisp Microphone」「Krisp Speaker」に変更します。
- 会議を始めると自動でノイズキャンセリングが働きます。アプリのアイコンから、ON/OFFの切り替えや状態の確認ができます。
設定は5分ほどで完了するので、まずは無料プランで試してみるのがおすすめです。
他のAIとの違い・使い分け
Krispの最大の個性は「音声に特化した処理」にあります。Otter.aiやFirefliesといった文字起こしツールも会議内容を記録してくれますが、ノイズキャンセリングは搭載していません。Krispは「音を綺麗にしながら記録もする」という一体化した体験が強みです。
また、NVIDIA RTX Voiceなど一部のハードウェア依存のノイズキャンセリングと違い、Krispはソフトウェアだけで動くため、特定のグラフィックカードや機材を必要としません。どのパソコンでも試しやすいのが利点です。
一方、会議の記録・要約だけが目的なら、Otter.aiやGoogle Meet内蔵の文字起こし機能など無料の代替手段もあります。「音声品質も記録も両方まとめて解決したい」という人にKrispは特に向いています。
使うときの注意点
- ノイズキャンセリングの強さに注意:設定が強すぎると、自分の声が途切れたり消えたりすることがあります。声がよく通らないと感じたら設定を調整してみましょう。
- 無料プランの60分制限:1日60分を超えるとノイズキャンセリングが停止します。長い会議が多い場合は有料プランの検討を。
- 文字起こしは100%ではない:専門用語や固有名詞、複数の人が同時に話す場面ではミスが起きやすいです。重要な会議では内容を見直すひと手間を忘れずに。
- 音声データの扱いを確認:ノイズキャンセリングはローカル処理ですが、文字起こしや要約などのクラウド機能を使う場合、音声データがサーバーに送られる可能性があります。社外秘情報を扱う際はプライバシーポリシーと社内ルールを確認してください。
- 料金・仕様は変わりやすい:本記事の情報は公開時点のものです。最新の料金・機能は必ず公式サイトでご確認ください。
