エージェントチーム — Claude Code 活用ガイド
AGENT TEAMS

エージェントチーム入門

サブエージェント(子分)の次は、複数の Claude が「チーム」を組んで協調するしくみ。リーダー1人+メンバー数人が、共有のタスク板を見ながら作業を分担し、お互いに直接相談しながら進めます。強力ですが実験的機能でコストも大きいので、向き・不向きを知って使うのが大事です。

上級編公式情報ベース実験的機能
🧭
前提:⑥レベルアップのサブエージェント、🏆組み立て方の「読みは分担・書きは1人」を読んでからだと理解が深まります。具体的なプロンプトは ✂️実践プロンプト集の「エージェントチームの場合」に、コピーして使える形でまとめています。

1エージェントチームとは

ひとことで言うと、「リーダー+メンバー」で働く複数AIのチーム。各メンバーはそれぞれ独立した Claude(=別々の記憶・別々のコンテキスト)で、共有のタスク板で仕事を取り合い、必要ならメンバー同士が直接メッセージを送り合います。

🧩
たとえ話:文化祭の準備班です。班長(リーダー)が「やることリスト(タスク板)」を貼り、メンバーが空いている仕事を取って進める。装飾班と音響班が「ここ電源どうする?」と直接相談する——あの感じ。班長を通さずメンバー同士で話せるのがポイントです。
👥 リーダー+メンバー+共有タスク板
flowchart TD
  L["リーダー(あなたのセッション)
計画・まとめ役"] --> T["共有タスク板
やること一覧"] T --> A["メンバーA
独立したClaude"] T --> B["メンバーB
独立したClaude"] T --> C["メンバーC
独立したClaude"] A <-->|"直接相談"| B B <-->|"直接相談"| C A --> T B --> T C --> T T --> L
各メンバーは別々の記憶。タスク板で仕事を取り合い、メンバー同士でも直接話せる
⚠️
これは実験的機能です。既定ではオフで、最新版(v2.1.178 以降)と有料プラン(Pro/Max/Team/Console)が必要。仕様や操作は今後変わる可能性があります。まずは1人の Claude + サブエージェントで十分なことが多い、という前提で読んでください。

2サブエージェント/チーム/ワークフローの違い

「複数で動かす」しくみは3つあり、性格がまるで違います。混同しやすいのでここで整理します。

しくみ動き方連絡向く仕事コスト
サブエージェント子分が働いて結果だけ親に返す親にだけ報告(子分同士は話さない)調査・レビューの分担低〜中(要点に圧縮)
エージェントチームメンバーが対等に協調メンバー同士が直接相談・議論議論しながらの並列作業高(約7倍)
ワークフロースクリプトが大量の作業を確定的に統率スクリプトが制御(会話しない)大量・反復(/deep-research等)大(数を制御)
✅
選び方の一言:結果だけ欲しい → サブエージェント。メンバーがfindings を共有して議論・調整する必要がある → エージェントチーム。同じ作業を大量に機械的に回す → ワークフロー。
最大の違いは「子分同士が話すか」。サブエージェントは話さない(親に報告のみ)、チームは話せる(対等な仲間)。

3有効化と始め方

実験的機能なので、まずスイッチを入れる必要があります。

  1. 環境変数で有効化CLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMS=1 を設定(または settings.json の env に記載)して、Claude Code を再起動します。
  2. バージョンとプランを確認claude --version が v2.1.178 以降であること、有料プランであることを確認。
  3. 言葉でチームを立てるあとはふつうの日本語で「3人のチームメイトを立てて〜」と頼むだけ。メンバーの新規作成・タスク板・後片づけは自動です。
有効化(環境変数)
# 環境変数で有効化して起動(要再起動)
$ export CLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMS=1
$ claude
.claude/settings.json(恒久的に有効化)
{
  "env": {
    "CLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMS": "1"
  }
}

🖥️表示モード(メンバーの見え方)

モード見え方操作の例
in-process(既定)1つの画面にメンバー一覧↑↓で選び Enterで話しかける
tmux画面を分割して各メンバーを表示tmux または iTerm2 が必要
auto環境に応じて自動(分割が無理なら一画面に)—

切り替えは /config または起動時に claude --teammate-mode tmux のように指定します。(VS Code 内蔵ターミナル等では分割表示に非対応。その場合は in-process で。実験的機能のため操作は変わりうる)

4仕組み:タスク板で協調する

チームの心臓は共有タスク板。リーダーがやることを並べ、メンバーが空いている仕事を自分で取り、終わったら次を取る——という流れで自律的に回ります。

📋

タスクを取り合う

メンバーは未着手のタスクを自分で claim(確保)。依存関係があるタスクは前提が終わるまで取れない。

💬

直接やり取り

メンバー同士が名前を指定してメッセージ。リーダーを通さず相談・指摘できる。

🧩

リーダーが統合

全員の結果をリーダーがまとめて最終的な答えにする。

🔄 チームが回る流れ
sequenceDiagram
  participant U as あなた(=リーダー)
  participant T as 共有タスク板
  participant A as メンバーA
  participant B as メンバーB
  U->>T: 計画を分解してタスクを並べる
  A->>T: 空きタスクを確保して着手
  B->>T: 別の空きタスクを確保して着手
  A-->>B: 「ここ依存してるよ」と直接相談
  B-->>A: 「対応した、確認して」
  A->>T: 完了に更新
  B->>T: 完了に更新
  T-->>U: 全タスク完了
  U->>U: 結果を統合して報告
並列で進めつつ、必要な所だけメンバー同士で直接すり合わせる
💡
見守り方:in-process モードでは入力欄の下にメンバー一覧が出ます。↑↓で選んで Enter でそのメンバーに話しかけたり、リーダーに「○○さんに△△を調べ直すよう伝えて」と頼んで方向を変えたりできます。途中介入してもチームは止まりません。

5向いてる仕事/向かない仕事

チームは「独立して並列に進められて、かつ議論が活きる」仕事でこそ輝きます。逆は単独のほうが速くて安いです。

✅

向いている

観点別の並列レビュー(セキュリティ/性能/テスト)・競合する仮説のデバッグ・新モジュールを部位ごとに分担・フロント/バック/テストの横断作業。

🚫

向かない

順番待ちの作業・同じファイルを同時に編集・依存が多くて連絡だらけになる作業・ふつうの実装(単独が速く安い)。

⚠️
「書く作業」の同時並列は要注意。🏆組み立て方でも触れたとおり、同じファイルを複数メンバーが書くと上書き衝突します。コードを書くチームを組むなら、レイヤー(フロント/バック/テスト)やファイルを完全に分け、先にインターフェース(契約)を合意させるのが鉄則。読む作業(調査・レビュー)はもっと気軽に並列にできます。

6コストとサイズ感

チームは人数ぶんトークンを食います。便利さと費用のバランスを意識しましょう。

💰

コストは約7倍

各メンバーが独立した Claude なので、単独セッションのおよそ7倍のトークンを使う場面も。価値の高い仕事に絞って。

👥

3〜5人が目安

まずは3〜5人。1人あたり5〜6個の小さめタスク。「絞った3人 > 散らかった5人」。

✅
節約のコツ:メンバーは安いモデル(Sonnet 等)に。タスクは小さく・明確に分けるほど早く終わって安い。終わったメンバーは早めに解散。役割を曖昧にして人数だけ増やすのが一番もったいない使い方です。

7使ってみる:実例

認証まわりをチームで点検する例です。役割をはっきり分け、相互チェックまで頼むのがコツ。

▶ チームで認証モジュールを点検(コピーして使えます)
認証モジュール(@src/auth/)をチームで点検したい。3人のメンバーを立てて、
役割を分けて:
- 1人はトークン更新ロジック担当
- 1人はセッション管理担当
- 1人はセキュリティ観点でレビュー
各自が読んで所見を出したら、お互いの結果を相互チェックして、
意見が割れたら議論して合意してから、まとめて報告して。

こう頼むと、リーダーがメンバー3人を立て、タスク板に「トークン更新の確認」「セッション管理の確認」「セキュリティ監査」「結果の統合」を並べ、各メンバーが並列で読み始めます。途中で「セキュリティ担当→トークン担当:更新トークンの失効チェックが抜けてる」のようにメンバー同士が直接指摘し合い、最後にリーダーが統合して報告します。

💡
リーダーが自分で実装を始めてしまうことがあります。そのときは「メンバーの作業が終わるまで待って」と一言。逆に手が空いたメンバーには「○○さんは△△に集中して」と再フォーカスを頼めます。

8注意・制限(実験的機能)

現状の制限を知っておくと、ハマりません。

制限どうなる/対処
セッション復元との相性/resume等でin-process メンバーは復元されない。再開後は新しく立て直す
タスク状態の遅れ完了マークが遅れて後続が止まることがある。手動で確認・更新を促す
解散が遅いメンバーは今の作業を終えてから抜ける。即終了は期待しない
1セッション1チーム同時に複数チームは持てない/メンバーは自分のメンバーを立てられない(入れ子なし)
分割表示の対応VS Code内蔵ターミナル等では分割不可 → in-process を使う
🏁
まとめ:エージェントチームは「独立して並列でき、議論が品質を上げる」高価値な仕事のための飛び道具。日常は単独+検証ループ+サブエージェントで十分です。使うときは役割を明確に・3〜5人・安いモデル・相互チェックまで指示。
次へ → 具体的に投げられるプロンプトは ✂️実践プロンプト集(チーム編)。考え方の全体像は 🏆上位エンジニアの組み立て方。
📖
公式ドキュメント:Agent teams / Subagents / Workflows(いずれも英語)。