1ようこそ、物語で学ぶ「ケーススタディ集」へ
ここまでで Claude Code の操作リズムやワークフローを見てきました。でも「で、結局わたしの場合どう使うの?」って思いますよね。このページでは、あなたと同じ高校生4人が登場します。彼らが実際にどんなコマンドを、どんな順番で打っていったのか——その流れをまるごと“追体験”しましょう。
🗺️この4人を追いかけます
CASE 01 / はると(高2)
文化祭の投票アプリを作りたい。プログラミングはほぼ初めて。初級
CASE 02 / みお(高3)
部活の成績CSVを自動で整形したい。Pythonにちょっと興味あり。初級中級
CASE 03 / ゆい(高3)
自作ポートフォリオサイトのバグを直したい。少し慣れてきた。中級
CASE 04 / そうた(高3)
昨日の続きを再開して、外出先からも様子を見たい。中級上級
2CASE 01「文化祭の投票アプリを作る」
最初のケースは、いちばん大事な「最短の成功体験」です。難しいことは一切しません。新しいフォルダを作って、Claude Code に相談しながら、小さなアプリをひとつ完成させるまでを丸ごと見ていきましょう。
文化祭の投票アプリを作る
初級🎯 やりたいこと
「出し物に投票して、結果がその場で見える、かんたんなWebページ」を、ゼロから作りたい。でも、何から手をつければいいか分からない。
👣はるとの手順
- まっさらな作業フォルダを用意して起動する散らからないように、新しいフォルダ(=ファイルをまとめる箱のこと)を作ってからその中で
claudeを立ち上げます。これで「この箱の中だけ」をClaudeが見てくれます。 - プロジェクトの“説明書”を作ってもらう
/initを打つと、Claudeがフォルダを見渡して CLAUDE.md(=このプロジェクトのルールやメモを書いておく説明書)を自動で用意してくれます。次から話が早くなります。 - いきなり作らず、まず計画を立てる
/plan(プランモード)で「どんなファイルを、どういう順で作るか」をClaudeに提案してもらいます。プランモード中はファイルを勝手に書き換えないので、安心して相談できます。 - 小さく実装してもらう計画にOKを出したら、まずは「投票ボタンと結果表示だけ」のようにひと口サイズでお願いします。一度に全部作らせないのが成功のコツ。
- その場で動かして確認する行頭に
!をつけるとターミナルのコマンドが打てます(=Bashモード)。!open index.htmlでブラウザを開いて、自分の目で確かめます。 - 変更点を見てから記録する
/diffでClaudeが何を書き換えたかをまとめて確認。気に入ったら「ここまでをコミットして」とお願いして、git に記録しておきます。なお安全地点(チェックポイント)はお願いごとに自動で保存されていて、ダメだったときは/rewind(別名/checkpoint)で戻れます。
💬 実際のやりとり(イメージ)
# 新しいフォルダを作って、その中でClaudeを起動 $ mkdir bunkasai-vote $ cd bunkasai-vote $ claude # まずは説明書づくり /init # つぎに計画モードで相談 /plan あなた > 出し物に投票できて、結果が棒グラフで見える1ページを作りたい。HTMLとJavaScriptだけで。 # 計画にOKしたら小さく実装 → その場で確認 !open index.html # 変更を見て、よければ記録。ダメなら /rewind で戻す /diff あなた > ここまでをコミットして
sequenceDiagram
participant U as はると
participant C as ClaudeCode
participant F as ファイル
participant T as ターミナル
U->>C: /init で説明書を作って
C-->>F: CLAUDE.md を作成
C-->>U: 準備できたよ
U->>C: /plan 投票ページの計画を立てて
C-->>U: こんな手順でどうかな
U->>C: その計画でOK、小さく作って
C->>F: index.html を少しずつ作成
U->>T: !open index.html で動作チェック
T-->>U: ブラウザで表示OK
U->>C: /diff で変更を確認
U->>C: ここまでをコミットして
Note over U,C: 小さく作って、確認して、保存。この繰り返しが王道
/init=最初に説明書づくり。/plan=作る前に計画。!=その場で動かす。/diff=変更チェック。/rewind(別名 /checkpoint)=自動で保存された前の地点へ戻る。ポイントは「一度に全部やらせない」こと。小さく作って毎回確認すれば、初めてでも迷子になりません。
3CASE 02「部活の成績CSVを整形するスクリプト」
次は「面倒な作業を1回で片づける」ケース。手作業だと30分かかる表の整理を、Claudeに小さなプログラムを書いてもらって一瞬で終わらせます。手元のファイルをClaudeに“見せる”方法がカギです。
部活の成績CSVを整形するスクリプト
初級 中級kiroku.csv(=表をカンマ区切りで保存したファイル)を、見やすい形に整え直したい。Pythonは名前を聞いたことがある程度。🎯 やりたいこと
選手名・種目・タイムが入ったCSVを、「タイムの速い順に並べて、空欄を埋めて、きれいな表にする」スクリプトがほしい。毎月使い回せると嬉しい。
👣みおの手順
- まずファイルをClaudeに見せる@ を打つとファイル名の候補が出ます(=ファイルパス補完)。@kiroku.csv と指定すれば、Claudeが中身を読んでくれます。「これを整形して」と頼む前に、まず見せるのが第一歩。
- 整形スクリプトを書いてもらう「タイムの速い順に並べて、空欄は『記録なし』で埋めて、整った表にするPythonを書いて」とお願い。Claudeが
seiri.pyのようなファイルを作ってくれます。 - その場で実行して結果を見る
!python seiri.pyで実際に動かします。!でターミナルに直行できるので、Claudeとの会話を抜けずに結果が確認できます。 - 気になる所を直してもらう「日付の形式も揃えて」「ヘッダー(=表の見出し行)を日本語にして」など、結果を見て追加注文。会話を続けるだけで直っていきます。
- 完成したら使い回すスクリプトが完成すれば、来月は同じ
!python seiri.pyを打つだけ。一度作れば、ずっとあなたの味方です。
💬 実際のやりとり(イメージ)
# まずCSVをClaudeに見せる(@でファイルを指定) あなた > @kiroku.csv これを見て。タイムの速い順に並べて空欄を埋めるPythonを書いて。 # Claudeが seiri.py を作ってくれたら、その場で実行 !python seiri.py # 結果を見て追加注文 あなた > ヘッダーを日本語にして、タイムは「分:秒」表示にして。
会話画面を開かずに、ターミナルから
claude -p "kiroku.csv を速い順に整形するPythonを書いて" のように -p(=1回だけ答えてサッと終了するモード)で頼む手もあります。何度も対話しながら育てたいなら、上の通常モードのほうが向いています。使い分けの目安:じっくり育てる→通常モード、一発で済ませたい→-p。
sequenceDiagram
participant U as みお
participant C as ClaudeCode
participant F as ファイル
participant T as ターミナル
U->>C: @kiroku.csv これを整形して
C->>F: kiroku.csv を読み込む
C-->>U: 中身を理解したよ
U->>C: 速い順に並べるPythonを書いて
C->>F: seiri.py を作成
U->>T: !python seiri.py で実行
T-->>U: 整形された表が出た
U->>C: ヘッダーを日本語にして
C->>F: seiri.py を修正
Note over U,T: 一度作れば、来月も同じ1行で使い回せる
@kiroku.csv=手元のファイルをClaudeに見せる魔法。
!python ...=会話を抜けずにその場で実行。そして単発なら claude -p という近道もある。「めんどくさい繰り返し作業」こそ、Claudeに小さな道具を作らせるチャンスです。
4CASE 03「ポートフォリオサイトのバグ修正」
3つめは「うまくいかなかったときに、どう立て直すか」がテーマ。最初の修正で直らなくても大丈夫。Claude Code には巻き戻しの仕組みがあります。失敗を恐れずに進めるコツを、ゆいと一緒に学びましょう。
自作ポートフォリオサイトのバグ修正
中級🎯 やりたいこと
クリックで画像が拡大表示されるはずが動かない。原因を突き止めて直し、公開前にひと通りの安全チェックも済ませたい。
👣ゆいの手順
- 症状を具体的に伝える「ギャラリーの画像をクリックしても拡大されない。エラーは出ていない」と、できるだけ具体的に報告します。@gallery.js で怪しいファイルも見せると話が早いです。
- 原因を一緒に調べてもらういきなり直させず「まず原因を調べて」と頼みます。Claudeが関係するファイルを読んで「ここが怪しい」と教えてくれます。
- 直す前に計画を確認
/planで「どこを、どう直すつもりか」を先に説明してもらいます。納得してから手を動かしてもらうのが安全。 - 修正してもらい、差分を見る修正後に
/diffで変更点を確認 → ブラウザで動作チェック。……ところが、まだ拡大されない! - 直らなかったので、いったん巻き戻すあわてず Esc+Esc(=直前のコード変更を巻き戻す操作)で、いじる前の状態に戻します。間違った修正を消して、まっさらからやり直せます。
- 情報を足してやり直す「画像のファイル名に全角スペースが入っていた」など新しい手がかりを伝えて、もう一度修正を依頼。今度はうまく拡大されました。
- 公開前に安全チェック最後に
/security-reviewでコードの危ない箇所(=脆弱性のこと)がないか点検してもらってから公開します。
💬 実際のやりとり(イメージ)
# バグ報告+怪しいファイルを見せる あなた > @gallery.js 画像をクリックしても拡大されない。まず原因だけ調べて。 # 直す前に計画を確認 → 修正 → 差分チェック /plan /diff # まだ直らない…! Esc+Esc で巻き戻して、情報を足してやり直す あなた > ごめん、画像名に全角スペースが入ってた。それを踏まえて直して。 # 公開前に安全チェック /security-review
sequenceDiagram
participant U as ゆい
participant C as ClaudeCode
participant F as ファイル
U->>C: @gallery.js 拡大されない、原因を調べて
C->>F: 関係ファイルを読む
C-->>U: ここが怪しいよ
U->>C: /plan 直し方を先に説明して
C-->>U: この方針で直すね
C->>F: gallery.js を修正
U->>C: /diff 変更を確認、でもまだ直らない
U->>C: Esc Esc で巻き戻し
C-->>F: 修正前の状態に戻す
U->>C: 全角スペースが原因だった、直して
C->>F: 正しく修正
U->>C: /security-review 公開前チェック
Note over U,C: 直らなければ巻き戻す。それだけで安心して挑戦できる
/plan=直す前に方針を確認。/diff=変更点をチェック。Esc+Esc=失敗をきれいに巻き戻す。/security-review=公開前の安全点検。「ダメなら戻せる」と知っているだけで、トライ&エラーがぐっと気楽になります。
5CASE 04「昨日の続きから・スマホでも確認」
最後は、何日もかけて取り組む“続きもの”の作業。前回の会話をきれいに再開する方法、使ったお金を確認する方法、そして「外出先からスマホでも様子を見る」少し先のワザまで、そうたと一緒にのぞいてみましょう。
昨日の続きから・スマホでも確認
中級 上級🎯 やりたいこと
毎回ゼロから説明し直さず「昨日の続き」から再開したい。使った金額を把握しつつ、できれば外出先からも様子を確認したい。
👣そうたの手順
- 前回の続きから再開するターミナルで
claude -c(--continue)と打つと、直前の会話をそのまま再開できます。昨日のやりとりを覚えたまま続けてくれるので、説明し直す手間ゼロ。 - 古いセッションを選んで開く「3日前のあの作業に戻りたい」ときは
claude -r(--resume)。過去のセッション(=会話の記録)が一覧で出て、選んで再開できます。 - 使った金額を確認する
/costで、このセッションでどれくらい料金がかかったかを表示。長く使うなら、ときどき見て感覚をつかんでおくと安心です。 - 記録を書き出して残す区切りがついたら
/exportで会話のログを外に保存。あとで読み返したり、引き継ぎメモにしたりできます。 - (紹介)外出先から様子を見る少し先の話として、
/install-slack-appでSlackと連携したり、--remoteや/rc(リモートコントロール)を使うと、スマホなどから進み具合を確認できます。まずは「こんなこともできる」と知っておけば十分です。
💬 実際のやりとり(イメージ)
# 昨日の続きをそのまま再開 $ claude -c # もっと前の作業に戻りたいなら、一覧から選ぶ $ claude -r # 会話の中で、使った金額を確認したり記録を残したり /cost /export # (紹介)外出先から様子を見る準備 /install-slack-app
🔁 セッションを“またぐ”という感覚
-c は「つづきから」、-r は「ロード画面でデータを選ぶ」イメージです。だから毎日ゼロからやり直す必要はありません。きのうの自分の続きを、今日の自分が引き継げます。| やりたいこと | 使うもの | ひとことメモ |
|---|---|---|
| 直前の続きから再開 | -c / --continue | いちばん手軽。昨日の続きはこれ |
| 過去の会話を選んで再開 | -r / --resume | 一覧から「あの作業」を選べる |
| 使った金額の確認 | /cost | 長期作業ではときどき見る |
| 会話ログの保存 | /export | 引き継ぎや見返しに便利 |
| 外出先から様子見 | --remote / /rc / /install-slack-app | まずは「できる」と知るだけでOK |
sequenceDiagram
participant U as そうた
participant T as ターミナル
participant C as ClaudeCode
U->>T: claude -c で昨日の続きを再開
T->>C: 前回の会話を読み込む
C-->>U: 昨日の続きから始められるよ
U->>C: メモ保存の機能を足して
C-->>U: 実装したよ
U->>C: /cost いくら使った
C-->>U: ここまでの料金はこれだよ
U->>C: /export 記録を保存
C-->>U: ログを書き出したよ
Note over U,C: 外出先からは Slack連携や リモートで様子見もできる
-c / --continue=昨日の続き。-r / --resume=過去の会話を選ぶ。/cost=料金確認。/export=記録の保存。さらに --remote や /rc、/install-slack-app で外からも様子見。「続きから」を覚えると、Claude Code が“何日もかけて一緒に作る相棒”になります。
64つのケースを地図で見てみよう
4人の物語、いかがでしたか? それぞれ「やりたいこと」は違っても、流れには共通のリズムがあります。最後に、全体を一枚の地図にして見渡してみましょう。あなたの場合はどのケースに近いですか?
flowchart TD
A["何をやりたい?"] --> B{"ゼロから新しく作る?"}
B -->|"はい"| C["CASE01 へ
新フォルダ→init→plan→小さく実装"]
B -->|"いいえ"| D{"面倒な単発作業を片づけたい?"}
D -->|"はい"| E["CASE02 へ
ファイルを見せて道具を作る"]
D -->|"いいえ"| F{"既にあるものを直したい?"}
F -->|"はい"| G["CASE03 へ
原因調査→直す→ダメなら巻き戻す"]
F -->|"いいえ"| H["CASE04 へ
続きから再開して長く育てる"]
🌟4ケースに共通する“黄金リズム”
計画する
/plan でいきなり作らず、まず方針を確認。失敗の種を先に摘んでおける。
小さく作る
一度に全部やらせない。ひと口サイズで作り、毎回手元で確認する。
戻せる安心
/diff・/rewind・Esc+Esc で、いつでも確認・巻き戻し。
/cost で見た料金の話や、--dangerously-skip-permissions のような“強い”操作とどう付き合うかを、もう少しだけ詳しく学びます。気になるコマンドは 🔍 コマンド辞典 でいつでも復習できます。